2021.9.13
Macが社内にない企業にお勧めするWindows用構成プロファイルエディタ
以前の投稿で、OSレベルの設定・制限を定める構成プロファイルについて紹介しました。その中で、
弊社では、情シス部門に最低Mac1台を用意して、リファレンスとして Apple Configurator2 をいつでも確認できるようにしておくことを推奨しています。
と書きました。(Apple Configurator2 についての詳細はこちら)
Apple Configurato2 は、Mac用のApple純正アプリケーションだからMacが必要。当然といえば当然ですが、Macが今手元にはないとか、会社がMacを購入させてくれない状況にある管理者の方もいます。
本稿では、そんな方のために Windowsでも使える構成プロファイルエディタを紹介します。iOS端末にどんな設定・制限ができるのか俯瞰したり、構成プロファイルを作成したりするのに役立てて下さい。
Mac/Win両OS対応の構成プロファイルエディタ iMazing Profile Editor
iMazing Profile Editor とは、DigiDNAというスイスのソフトウェア開発会社が提供する構成プロファイルエディタです。
同社は、2008年からiOS端末のバックアップイメージ作成や端末内のデータを吸い上げるiMazingというソフトを個人向けに開発・販売しています。iOS端末とMac/WindowsがiTunes経由で通信するやりとりを解析し、同等の通信を行うソフトを開発する技術を保有しているベンダーです。
同技術を企業向けに応用して開発したのが iMazing Configurator なる Apple Configurator2 のクローンソフト(同等の機能を提供するソフトウェア)であり、iMazing Profile Editor は同ツールの構成プロファイルエディタ機能を担うソフトウェアです。
macOS/Windowsの両OS版がそれぞれ提供されており、無償で利用できます。
Windows版の対応OSバージョンは、Windows7 SP1以降となっています。
起動すると以下の様な画面が現れます。
保存すると名称をつけるよう求められ、拡張子が .mobileconfig という構成プロファイルファイルが生成されます。生成されるファイルは構成プロファイルとして有効なファイルです。Macの Apple Configurator2 で開けるほか、構成プロファイルの直接アップロードが可能なMDMに登録することもできます。
構成プロファイルは所詮 XML 形式のテキストファイルに過ぎず、Apple が Configuration Profile Reference で仕様を公開しているためこのようなことが可能になるわけですね。(ということは、読者が自社用の独自エディタを開発することも可能なわけです)
ということで、iMazing Profile Editor を使えば、わざわざ Mac を購入せずとも Windows 環境で構成プロファイルの全貌を眺めたり、作成したりすることができます。Mac がどうしても手元に確保できない場合は活用すると良いでしょう。
なお、同社の iMazing Configurator を使えば Windows からもある程度 Apple Configurator2 っぽいことができるようですが弊社では推奨していません。自己責任で御利用下さい。
ちなみに、Apple Configurator2の前身であるiPhone構成ユーティリティでは、2014年までAppleが公式にWindows版も用意してくれていました。その中で構成プロファイルも作成が可能でしたが、残念ながら今は入手できません。(インストーラのコピーが公開されているダウンロードサイトは複数存在します)
過去に入手済みなら、そちらで確認したり基本的な構成プロファイルの作成をしても良いでしょう。提供停止となった以降の設定項目は含まれていないものの構成プロファイルの基本構成はそれほど変わっていません。
ただやはり、組織内でiOS端末を本当に活用したいと考えるなら、Macは1,2台購入し Apple Configuration2 をいつでも触れる環境を用意することが推奨されます。