2023.4.3

業務用アプリ開発関係者がインストールしておくべきiOSアプリ – Apple Developer –

業務用iOSアプリに関わるエンジニアや現場担当者が入れておくべき Apple 公式アプリが5つあります。皆さんはいくつご存知でしょうか?

まだ日本でサービスが提供されていないので Apple Business Essentials は番外的ですが(日本提供も時間の問題と思われますが…)、残り4つは関係者であればインストールしておくことが推奨されます。

本稿では、中でも業務用iOSアプリ開発のエンジニアが日々チェックすべきアプリ Apple Developer について紹介します。

 

Apple Developer アプリの歴史

Apple Developer アプリは、Apple が主にエンジニアに向けて届けたい情報を発信するために提供している純正アプリです。AppStoreから無償でダウンロードできます。


(2023年3月現在、macOS用、tvOS用もある)

Apple Developer アプリの歴史を簡単に紹介します。

その昔、WWDCに現地参加するエンジニア向けの専用アプリ WWDC App なるものがありました。高額なWWDCチケット(約$1,600)を購入した開発者だけが使えるイベント用アプリで、限定的に配信されていました。


(WWDC 2014 の時の WWDC App の案内。実はAppleによる InHouse アプリだった)

これが2019年を機に、誰もがAppStoreからインストールできる Apple Developer に名称を変えます。昔は WWDC 参加者しか見れなかったセッション動画やPDF資料を、Appleが広く公開するよう方針転換した背景もあったものと思われます。


(2019年11月のニュース。この日から Apple Developer アプリとなった)

WWDCのコンテンツ以外にも開発者向けニュースやビデオ・資料も配信されるようになり、WWDCのためだけではない Apple とエンジニアを繋ぐアプリとなりました。それが2019年。

その後、UIの刷新やコンテンツ拡充が続き、エンタープライズ寄りの情報も多く配信されるようになり、今ではこのアプリ内で Apple Developer Program の新規契約・更新まで行えるようにまでなっています。

 

WWDC以外の豊富なコンテンツ

Apple Developer アプリには、前述した通りWWDC以外のコンテンツが豊富に揃ってます。WWDCで深堀りできなかった情報や新たな切り口でまとめたコンテンツを、動画(TechTalks)またはテキスト記事(Articles)の形式で結構頻繁に配信してくれています。

実はアプリのこの内容、Apple developer のサイトにも掲載されているものだったりします。


(AppleはWWDCの時期以外でも積極的に情報配信をしてくれている)

ですが、多くのエンジニアの方はこのサイトをWWDCの開催中や直後を除くと余り見ない…ってことになってしまっているのではないでしょうか?(かくいう筆者も豆にこのサイトをチェックするかというとそうでもありません)

また、アプリ内のBrowserタブも注目に値するコンテンツです。ここでは主に AppStore に関する最新情報を閲覧できます。

実はこれも、Apple Developer サイトのニュースフィードを取り込んでいるに過ぎませんが、これもまた業務用iOSアプリのエンジニアがチェックすべき情報です。今や業務用iOSアプリは、公開アプリ・非表示アプリ(Unlisted App)・非公開アプリ(カスタムApp)のいずれかにする必要があり、AppStoreと無関係ではいられないからですね。


(アプリ開発者がチェックしておくべきAppleからのニュース掲載サイト)

このように Apple Developer アプリはその名称の通り、Apple Developer サイトに随時掲載される情報をエンジニアがわざわざサイトを常時チェックしなくても、見逃さないよう集約して届けてくれるアプリとなってます。

 

開発者以外もインストールしておくことが推奨される

Apple Developer アプリでは、実は業務用の情報も豊富に配信されています。よって、エンドユーザ企業の担当者や、業務用iOSアプリを提案するSIerの担当者も Apple Developer アプリをインストールしておくと良いでしょう。

以下に Apple Developer アプリの Search タブで「enterprise」を検索した結果を紹介します。

WWDCの動画だけでなく、業務用の情報が数多く配信されていることが分かります。これらを閲覧・視聴しておくことで、より高度な業務用iOSアプリの開発やiOS端末の活用を実践できる筈ですね。

最近、個人的に興味深かったのは、業務用アプリの切り口でWWDC2022の発表をまとめ直した30分に及ぶTechTalkの動画 What’s new for enterprise developers です。


(iOS16.1から使えるようになった LiveActivities にも言及。エンタープライズの切り口でも最新情報が提供されている)

このように業務用iOS活用に関連する情報も多く配信されてきますので、「自分はコードは書かないから関係ない」と距離を置くのではなく、インストールして常にチェックするようにして下さい。Macを普段から使っているならmacOS版、AppleTVを持っているならtvOS版も使ってみると良いでしょう。


(macOS版のApple Developerアプリ。iOS版より目的とする情報にたどり着きやすい)

 

以上、業務用iOSアプリ関係者がインストールしておくべき Apple Developer アプリについて紹介しました。Apple の最新情報を漏れなく収集するため、普段からチェックしておかれることをお勧めします。

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